今更の極み

マゾッホの毛皮を着たヴィーナスを読んだりなどしていた。

私はこれを、今まで読んだこと無かったんだね……?

と、少々驚いてしまった。

勿論、M男さん達から、女王様人生を歩むと幾度となく薦められる作品なわけなんですが……笑

いつか読むね~と言い続けて、やっといつかがやってきましたとも。

まず、1836年産まれ、坂本龍馬と同い年。

フランス革命が1830年。

時代がだいたいどんな感じかこれだけでもかなり想像が付きますよね。

マゾッホは当時はオーストリア帝国だったウクライナのリヴィウ産まれだ。

最近はニュースでよく見ますね……

オーストリア領だった当時のリヴィウは、ドイツ風の文化だったのではないかと思われる。

また、戦禍によりマゾッホが目にしたであろう建造物が破壊されたかと思うと腸が煮えくり返るのだ……

まあ、常に様々な国からの支配を受けてきた土地なので、なんとも言えないのですが……

ただ、自分達は〇〇人だと、はっきりと言い難い、国民国家的な感覚があまり育まれなさそうな地で生まれ育った事は間違いない。

没はドイツ帝国という事になっている。

私はジャン・ジャック・ルソーについて考えていた時に、人権があるという意識がなければディシプリンは楽しくなかろうよ……と思っていたのだが、

マゾッホに関しては、支配という物に対する反応を感じる。

という、面倒くさい話はこの際置いておく。

読んでみて、かなりの読みやすさに感動した。

今、カクヨムやなろうを漁っていると、M男さんの妄想に次ぐ妄想という、願望垂れ流しの作品が結構ある。

かくいう私自身も、S女の妄想に次ぐ妄想、M男さん達に対する「こう思っててくれたら嬉しい」を垂れ流した文章を、SMスキッパー様に送りつける、という、人様の事は決してとやかく言えない奇行をやらかしている。

その、最上位互換。

というか、原点なのだろうと思われるけど、マゾッホなんて読んでいなくとも、同類が挙って同じ事をしているというのが、実に実に面白い。

そういう習性と言っても良いのではないかと……

それから、自分の妻や愛人にも強要している所が凄い。

NTRを強要して離婚されてるの、本当に本当に、ちょっと待てと言いたくなるが、わかる、とも言いたくなる。

ただ、シンプルに根っからのS女では無い人に強要するのたただの暴力だと思う、しかしながら、当時そんな事を楽しむ女性など居なかったであろうし、居たとして出会えなかったわけで、

現代、マゾッホが夢見た世界が実現されている所がまた、人間って……という気持ちになる。

そんな事を嬉々としてやる女性は確かに居るんだよという事か、マゾッホに影響されてSMの世界を作り上げて行ったことにより誕生したのか、鶏と卵みたいな話ではあるんだけどね。

毛皮を着たヴィーナスのワンダは、戸惑いと興奮に揺れ動く。

その描写はなかなか愛らしい。

ワンダが暮らしているカルパチア山脈のルーマニア側にはドラキュラ城もあり、なかなか心の中に飼育しているゴス心をそそる設定である。

毛皮というのも良い。

貂の毛皮。

ヨーロッパの王族が肖像画で着てたりする白地に黒ブチのやつとかね。

日本だと黒いのやブラウンのが多いけど。

やはり、自分の生活圏での素材という物にフェチズムを覚えるというのはシンプルな感じがするのです。

レザーにしろ、毛皮にしろ、ウール(ウーリーの人達ね)にしろ、自分が目にしてきた最強の女性のイメージが肥大化して象徴化してフェチズムになるのかもしれない。

ウクライナ辺りだとやはり寒いので毛皮が多かったろうと思うし、現在のドイツ辺りはレザーが多いし、ウールがよく使われる国もありーの。

近代だと、服装はグローバルなので、コレと言ったフェチズムも、初めて見た女王様に帰属するなーなんて思うわけです。

レザーにしろ、ラバーにしろ、エナメルにしろね。

無かったから小説にした時代から、却って世界は固定化されてるのかもしれないよね。

日本の気候風土に合ったフェチズムは、シルク辺りが最もそれらしいと思うんだけどね。

実は、日本はウールの消費量も半端ないです。

恐らく、編み直しとか、撚り直しとか、リユースやリサイクルの感覚が無いままウールを利用しているからでは無いかしらと思っている。

そらは、日本では衣類に利用出来る羊を育てて居ないからなんですよね、一応利用するプロジェクトはありますけどね、そこそこゴワゴワした繊維らしい。

でも、一着は欲しい……

コットンもそうだけど、自分達で作っていない物は、かなり使い捨てにしているって事なんだよね。

シルクは結構大切にするのよね……

内から湧き上がってくるフェチズムは、勃起するってだけじゃ物足りないものがあると思う。

分解して、整頓したフェチズムに触れるのは、いつだって楽しいものだと思う。

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