エロティシズム

お茶の事を考えてた。

昔の武士同士は統治している所が遠いから、家臣だとしても会わない時間の方が長くて、会うコストが今よりも遥かに高い。

そんな中での一瞬とも言えそうな限られた時間で相手の思考や立場や感情の全てを読み取る為に考えられた命をかけた遊びなんだよな〜と思う。

好みの物や、縁のある物が取り揃えられて、玄関から庭そして手水鉢、待合と茶室に至る空間、床の間の花とお軸、お酒、食器と料理の全て、道具、お菓子、お茶。

お茶事というのは一日がかりのエンタメだ。

完璧は、自分に対する強すぎる「興味」の現れですよね。

わかっている、理解している、知っている、と、強く認識させられる事だろうな……

舐めていられない。

理解者というのは、相手が何をするのか想像ついてしまうわけだよね。

だから「あなたは明日私を裏切る」という事を私は想像付きますよ。

というメッセージにもなる。

たまに会う時に、どれだけ相手の好みを表現できたおもてなしか、というのは恐ろしいことなんですよね。

逆に言えば、本心からの忠臣だった場合、歓喜に溺れる事が出来る。

忠義に対して、最大級の理解と尊重を返してくれたわけだから。

お茶席というのは、どちらに転んでも最強な魂のやり取りが出来る。

私はそういうエロティシズムが好きだ。

いつか茶人のM男さんに招かれたいという夢があるけど、

逆に言えば私はM男さんを招きたいとも思う。

立場は曲がらないけど、魂は相互に作用する感じ。

とかね。

ロマンティックな事を考えたりする事もある。

熟成中

インプットもアウトプットもせずに考え事をするのに適した気候。

空気がカラッとしていて、風が涼しく動くと暑い。そのくらいが一番私を発酵させるね。

アウトプットするにはまだ足りない感もありつつ、それでもあんまり書かないのもな〜と思ったりして。

特に書きたいことも無いんだけどね。

プレイについて書くよりももっと別の事を書きたい気分なんですよ。

突っ込んだ話とか、込み入った話とか。

プレイ中のM男さんは豊かなんですよ。

鳥肌とか、痣とか、叩いた所の熱、縛った腕の色、指先の温度、陶酔しようとわざと出してる声、そこから本当に陶酔してきた時の隠れた声、腕の浮腫、足の冷たさ、硬さ、力を入れていない肉体の重さ、徐々に血が昇っていく顔色、指を絡めてくる愛着や寂しさ、心細い視線、安堵、絶望、期待、嫉妬、羨望、憎しみ、嫌悪、喜び、希望、自己嫌悪、悲しみ……

とにかくやかましい。ずっと感じていたいね。

こうやって、生々しい人というものに触れるのが、私にとってのSMの愉しみの一つなわけですよね。

色々な事を感じて欲しいよね。

快楽だけじゃなくて、不都合な感情も。

全力で。

そんで、ぐちゃぐちゃに溶け崩れて欲しいですねぇ〜〜

などと思う。

秋の始まりです。